1985年に発表された末森英機の第2詩集「異邦記」の電子書籍版。
世界を巡った詩人が、各地の風物を借りて奏でる言葉たち。おもにそれらを集めて編まれたのが詩集「異邦記」である。ここにまとめられた詩は、神々の声のようでもあり、旅人の心の叫びのようでもあり、また身近な家族への温かな眼差しでもある。それらが読む者それぞれの心に響いてくる。
「コトバさえ、ことばさえ、言葉さえあれば、地上のどんなくびきも心残りなく断ち切ることができる、美しい。」(電子書籍版まえがきより)
「異邦人『The Stranger』--。」「蓮の聲」「異邦の--。」「姉弟」ほか、所収。
<著者プロフィール>
1955年8月8日生まれ。東京都出身。アジア、ヨーロッパを旅しながら多くの詩を生み出す。敬虔なクリスチャンでもあり、ギターを奏で歌うミュージシャンでもある。
東日本大震災以降は、被災地でガレキの撤去、側溝・家屋の泥かきのほか、仮設住宅の集会所でのコンサート活動にも取り組む。また、2013年には岩手県・カトリック大船渡教会のアントニウス・ハルノコー神父によるCD『幸福の星 忘れないで、被災地に生きる』を現地録音で制作。
詩集に、「楽園風」(1978年)、「異邦記」(1985年)、「東京新事情」(1992年)、「鬼が花を嗅いでいる」(1997年)、「天の猟犬」(2006年/電子版2013年)、「幸福の入り江」(2011年)がある。