天の猟犬

末森英機 著

価格 ¥1,600 + 税

詩人・末森英機の第5詩集の電子書籍版。
不摂生による入院生活の後に発表された、すべて定型四行詩からなる詩集「天の猟犬」。著者によれば、「死にかけて、しばらく何も書けなかった。けれど、『まるでぼくら、神のみ子のようじゃないか?』 神のコトバは天の高く、空から降るものじゃなく、人の歩む道の上にある。小品の炎のように、同じ罪の絆に咲くコトバたち」が本書には収められている。
多くの詩には、聖書中の言葉やイエス・キリスト、聖書の登場人物が登場し、全体として著者の信仰に基づく作品群となっている。しかし、その内容の中心は宗教的な事柄ではない。キリスト教を信仰しているかどうかに関わりなく、誰もが心に持っているもの、優しさ・温かさ・小ささ・弱さといったものである。
絵本作家・南椌椌氏とシンガー・ソングライターの中川五郎氏、いずれも著者と親交の深い2人の解説で、著者に対する親しみと共により深く作品世界へと入っていくことができるだろう。

<著者プロフィール>
1955年8月8日生まれ。東京都出身。アジア、ヨーロッパを旅しながら多くの詩を生み出す。敬虔なクリスチャンでもあり、ギターを奏で歌うミュージシャンでもある。
東日本大震災以降は、被災地でガレキの撤去、側溝・家屋の泥かきのほか、仮設住宅の集会所でのコンサート活動にも取り組む。また、2013年には岩手県・カトリック大船渡教会のアントニウス・ハルノコー神父によるCD『幸福の星 忘れないで、被災地に生きる』を現地録音で制作。
詩集に、「楽園風」(1978年)、「異邦記」(1985年)、「東京新事情」(1992年)、「鬼が花を嗅いでいる」(1997年)、「天の猟犬」(2006年)、「幸福の入り江」(2011年)がある。